
注文住宅で階段を選ぶ前に知っておきたいこと
注文住宅で階段を設置する際、まず気になるのは費用と形状の違いです。
階段は家の印象や動線、安全性に直結する重要な要素なので、種類ごとの特徴と費用相場を理解してから選びましょう。
以下では代表的な階段の種類ごとに、メリット・デメリット・費用相場をわかりやすく解説します。
目次
直階段(まっすぐな階段)
特徴とメリット
まっすぐに配置する一般的な階段です。
形がシンプルで昇降しやすく、施工費用が比較的安い点が魅力です。
階段下空間を収納やトイレなどに有効活用できるのも利点です。
デメリットと注意点
スペースが必要になるため、狭い敷地や小さい家では勾配が急になりがちです。
勾配が急だと昇降時に危険が増すため、手すりの設置や踏み面(踏板)の幅に配慮する必要があります。
費用相場
概ね15〜25万円程度が目安です。
(素材や仕上げ、手すり・照明などの追加で変動します)
L字階段(90度折れの階段)
特徴とメリット
途中で90度曲がる階段です。
転倒した場合でも途中で止まりやすく、安全面で優れているため、子どもや高齢者がいる家庭に向いています。
デメリットと注意点
直階段よりも設置に若干のスペースが必要になります。
曲がりの部分で踏み外しやすい設計にならないよう、踏板の形状や手すりの配置に注意が必要です。
費用相場
概ね25〜35万円程度が目安です。
折り返し階段(踊り場のあるコの字・箱階段)
特徴とメリット
踊り場で折り返す構造で、勾配が緩やかになり昇降が楽です。
安全性が高く、L字と同様に子どもや高齢者に向いた形状です。
デメリットと注意点
段数や踊り場分だけスペースを取るため、広さの余裕が必要です。
設置場所にゆとりがないと採用しづらいことがあります。
費用相場
概ね20〜30万円程度が目安です。
螺旋階段(らせん階段)
特徴とメリット
曲線的ですっきりとした見た目で、デザイン性が高く空間のアクセントになります。
狭いスペースにも設置できるため、スペースの節約に役立つ場合があります。
デメリットと注意点
荷物を持っての昇降がしづらく、安全面に不安がある場合があります。
踏み板の幅が狭くなることが多いため、小さな子どもや高齢者のいる家では注意が必要です。
デザインや素材に凝ると高額になりやすく、100万円を超えるケースもあります。
費用相場
概ね30〜40万円程度が目安ですが、デザイン性や素材で大きく上がります。
階段選びの実用的なチェックリスト
- 家族構成(子ども・高齢者の有無)を最優先に考えること。
- 毎日の生活動線を想像して、昇降のしやすさを重点的に確認すること。
- 階段下の有効活用(収納・トイレなど)を考慮すること。
- 手すりの有無や位置、段差の高さ(蹴上げ)と踏面の幅を実際に確認すること。
- デザイン重視ならば、実用性と安全性のバランスを必ずチェックすること。
おすすめの判断基準(簡単な例え)
階段は家の“背骨”のようなものです。
見た目(ファッション)だけで選ぶと、毎日の生活(歩き方)に合わない服を着るようでストレスになります。
デザインと機能のどちらも大切に、まずは「安全に」「無理なく」使えることを基準に考えましょう。
まとめと次のステップ
階段にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットと費用相場があります。
注文住宅では自由に選べる分、家族の暮らし方に合った形状をじっくり検討することが重要です。
まずはモデルハウスや施工例を見て、実際に昇り降りしてみることをおすすめします。
その上で設計士や施工業者と相談し、手すりや踏面の寸法、仕上げ材など細部まで詰めていきましょう。